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見せかけのコスパには騙されない真の費用対効果を求めて
タフな自然環境に対応するアウトドア&防災ギアの選び方
野営道具BEST BUY
本特集を読み進める上で重要な鍵となるのが、プロローグで服部文祥が書いた「数ある道具の中には、それがあるからこそ、身体能力を発揮できるというタイプの道具もある。(中略)生きていることを実感できる幸福な時間は、自力と効率と道具の絶妙なバランスの上に浮かび上がるしかない」という認識と思考、加えて巻末で亀山亮が書いた「GAFAのトップたちやイーロン・マスクがトランプの就任式に出席して祝う姿を見ると、(中略)デジタル世界にどっぷりと浸ってしまった自分たちが住んでいる世界を呪いたくなる。(中略)彼らに加担しないで生きていくにはどうすればいいのだろうか」という反感と疑問である。確かに目の前の仕事を片付けなければ来月を生きていけない現状にある我々に、両氏のような生き方を実践することは難しい。しかし、このような思いを頭の片隅にでも置いておけば、ぱっと見お得な“安物買い”、ぱっと見生活が楽になる“新し物買い”、ぱっと見世間から評価を得ている“流行り物買い”など、虚構の価値に踊らされた“銭失い”は最低限防げるはずである。頼れる野営道具=根本的に生存に欠かせない道具=防災道具を選ぶ上で定めるべき物差しは何か。ここからは価格でも広告露出度でもないいくつかの物差しを挙げて、真に意味のあるBEST BUYを探っていこう。
写真/降旗俊明
※この記事は2025年3月発売『Fielder vol.77』に掲載されたものです。
―プロローグ―
創造性を失わない〝道具選び〟とは?
服部文祥の反消費廃村生活
道具がもたらす高効率の代償に我々が失う生きる意味について、とりとめなく考えること。
文/服部文祥 写真/亀田正人、服部文祥、編集部