Fielder vol.76 脱成長タキビズム ー目次ー ページ下にある見たい特集の写真やタイトルをクリックすると公開ページを閲覧できます電子マネー全盛の時代こそ森に集う焚火好きに富が集中している!?いま一度焚火で生き甲斐のある人生を取り戻す方法写真/降旗俊明<vol.76>いま一度焚火で生き甲斐のある人生を取り戻す方法 脱成長タキビズム※この記事は2024年12月発売『Fielder vol.76』に掲載されたものです。 実生活に文明と焚火が共存する人新生の暫定解 服部文祥の反消費廃村生活 ー脱成長タキビズム プロローグー文化カマドで柴を燃やし、薪ストーブで薪を燃やし、体内で炭水化物を燃やす。生命は炭素の急激な酸化で発生する熱(エネルギー)で代謝し、人はさらにその熱を生活に利用して生きている。文/服部文祥 写真/亀田正人 いま薪に起きている現象を原子から解き明かす[超訳]焚火原理焚火をより深く自分のものとして活用するなら、まずはその原理を知るべきだろう。多くのアウトドア関連書物では“薪の中に含まれる炭素が、酸素と急激に結びついた時に放たれる熱”と焚火を解説しているが、「なぜ酸化で熱が発生するのか」までは書かれていない……写真/亀田正人 身の回りにある物を活用して火をもっと実用的に使うべし焚火BRICOLAGE「ブリコラージュ」とは西洋の合理主義が生んだ「エンジニアリング」と対極をなす言葉で、フランスの文化人類学者クロード・レヴィ=ストロースが西洋中心主義への批判とともに提唱した(※1)。要は現代でも南米やアジア、アフリカに見られる、周囲にある余り物などの寄せ集めで道具を作り、当面の必要性を乗り切る思考法だ。本誌としてはこの思考法もまた、豊かな人生を取り戻すための鍵だと考える。 改めて確認したい美味い焼き芋を焚火で作る方法誰でもわかる焼き芋学穀物に並び、人類の主食として親しまれてきた芋。一人で栽培できる上に食い出があり、大量消費社会の外側には今でもこれを主食とする地域がある。繰り返される歴史に倣えば、我々だって有事の際は“サツマイモ”で飢えを凌ぐ可能もあるだろう。というわけで芋を最も簡単に美味く食べる方法“焼き芋”にまつわるブリコラージュを実践したい。 製作時間15分で現場をリラックススペースに最も簡潔な足湯装置構築優雅な自然の中、自分専用のリラックス空間を構築できるキャンプ×足湯の組み合わせは意外と人気。しかし、本誌としてはこれを内臓に負担を掛けず足元から身体温度を上げられる、ある意味でのサバイバルスキルとして実践する。先の通り、野外での足湯法については多くのキャンパーが実践しているわけだが、今回例に挙げた方法は単独野営に必須の携行性を重視し、足りない点は経験と発想でカバーしている。 万が一の災害時にも役立つ新聞紙炊飯術 ーサバイバルリバイバル特別編ー俳優・田中要次氏が毎回気になるギアやDIYを体験する連載「サバイバル★リバイバル」。今回は特別編として、新聞紙一部でご飯が炊けると話題の「魔法のかまどごはん」を試してみた。本当に美味しくご飯が炊けるのか検証開始! 焚火後までナチュラルエネルギーを活かしてこそ豊かな人生が手に入る実践的炭灰活用マニュアル焚火で発生する炭と灰。後始末に際して炭・灰捨て場などで廃棄するのか、集めて持ち帰って次使うのかなど、処理方法で悩むことも多い。「炭は自然に還らない」ということはキャンパーの間ではよく知られていること。炭素を多く含む炭が土の中で分解できない一方で、炭灰だけが持つ特性を活かして昔から身の回りで用いられてきた。そのような炭灰を野営や日常生活に活用する術を身につけて焚火をもっとスマートに楽しみたい。文/荒井裕介 写真/須藤文子 憧れの薪ストーブキャンプがU5万円で手に入る!?節約!薪ストーブ野営入門朝晩の厳しい冷え込みが続く冬場のキャンプを盛り上げる飛び道具が薪ストーブだ。経済的にも移動方法や取り扱いの面でもハードルが高いと諦めがちだが、ちょっとのアイデアとコツを押さえれば、薪ストーブがより身近なものになる。冬の薪ストーブ野営の旨みを一度でも体感すれば、抜け出せなくなること間違いなし。これを機に冬こそ野営を楽しもう。 世界一過酷なフィールドで野営を続ける最強サバイバリスト密着レポートチェチェン義勇兵の肖像 [現生ホモ・サピエンス見聞録 其の一]エンタメ界隈に世界最強と名のつくサバイバリストは数いれど、昨今思いつく限りの戦場にフル参戦し、荒野で野宿を続ける義勇兵にかなう者はいるだろうか? 日本では何やら恐ろしい民族というイメージが強い北コーカサスの人々を研究する谷川氏から、チェチェン、ジョージア、シリアの戦場を転々とするチェチェン人義勇兵がいると聞き、恐怖半分で世界最強サバイバリストの素顔を探ってもらった。写真・文/谷川ひとみ 真人間ならどんなに過酷な戦時下でも理性を保てるのか?戦争とモラルハザード [現生ホモ・サピエンス見聞録 其の二]とある戦争映画の評価コメントに「不道徳行為を戦争の所為にする人間は普段から素行が悪く、真人間ならどんな環境でもモラルを守る」と、戦争が人の精神を壊していく内容に低評価をくれるものがあった。勃発以来、露ウ戦争を追ってきた本誌としては、もしや大手メディアから正確だが無味無臭な情報を得ている真面目な日本人ほど、そのヤバさが見えていないのではと危機を感じたのだ(不真面目な輩は本誌やグロサイトで惨状を知り戦々恐々とする)。というわけで、本誌は早速現地にいたホモ・サピエンスの平均的(平均以下?)精神力を持つ気鋭の戦争ジャーナリスト・イガラシに連絡を取り、戦時下の人々のリアルをレポートしてもらった。写真・文/五十嵐哲郎