【vol.46】CUSTOM KNIFE/SPECIFIC LOW POWER TRANSCEIVER/OUTDOOR CAP/FIELDWEAR

前号で紹介した相田義人氏デザインによる「2.5”フェザーウェイト」に続き、本誌オンラインストアfielder.theshop.jpの独占販売モデルが登場。どちらも6月25日(火)に販売を開始する。

Photo/Tosiaki Furihata Text/Fielder 問/Fielder WEBSHOP tel/0120-99-8141 https://fielder.theshop.jp/

野営家の「あったらいいな」を実現した カスタムナイフならではの独創性に注目

人は空を飛べる形ではないが、空飛ぶ乗り物なら作れる。足も遅ければ泳ぎも不得意な人間が食物連鎖の頂点に立てたのは、自らに足りないものを道具を作って補完する能力があったからだ。今では大抵の道具が出揃い、この能力も資本の自己増殖を促す手段と成り下がっているが、いまだこれが人間一個体の能力として活かされているシーンもある。

刃物はあくまで人間ひとりひとりが用いる原始的な道具の一つである。ゆえに個々の環境、嗜好により求められる形は細分化される。中でも最大公約数的な工場製品ではなく、個人のアイデアが直接形に現れるカスタムナイフは、自らに足りないものを補完する道具の象徴と言えるだろう。この度本誌のオンラインストアで販売される奈良定氏の1本は、まさにその具体例だ。

本誌カスタムナイフ特集の常連であり、同業者の間でも実践的なナイフの作り手として定評のある奈良定氏だが、この1本も元を辿れば同氏の趣味である渓流釣りから生まれた個人的かつ実践的アイデアが活かされている。常時竿を片手に遡行する渓流釣りにおいて、釣り糸を切るためのラインカッター、魚の内臓を取り出すためのナイフを忙しく使い分けるのは鬱陶しく、その都度時間を食っていれば獲物採集効率は落ちる。それなら両者を一緒にすれば良いというわけで、こんなナイフを作ったのだ。ポケットサイズの軽量仕様ゆえ、ポーチやベスト、パンツのベルトループにぶら下げておく、あるいはネックナイフにするなどで、常時表に出しておけるのも魅力だ。

※商品情報は本誌発売当時(2019年6月)のものです

CUSTOM KNIFE

[カスタムナイフ]

FIELDER×MAMORU NARASADA CHIMAIRA [フィールダー×奈良定守・キマイラ]

もともと渓流釣りの相棒として奈良定氏が製作していたものを、本誌の要望により汎用性の高いフィールド仕様とした1本。最大の特徴となるシースを利用したラインカッターも釣り糸~細引き(4mm程度)に対応し、野営時も大いに活躍してくれるだろう。必要最小限で取り回しの良い2インチブレードを採用。鋼材は耐摩耗性に優れたVG10。全長122mm、刃厚3mm。1万5000円(税抜)

「ちょっとヒモを切りたい」なんて軽作業時もシースから取り出さないで済む革新的アイデア。4mm程度のロープまで対応。

シースに収めた際にストッパーとして機能するハンドル部のホールは、ナイフを寝かせて握った際に親指のグリップ感を高める意匠にもなる。

カスタムナイフならではの技巧「テーパータング」を片面に施し、携行性を求めて極限まで減量。ネックナイフとしても利用できるだろう。32g(ナイフ本体実測)