今後30年間で大地震が起きる可能性が引き上がっている。いつ何時、何が起こるかわからない。が、野外での生命維持に欠かせないナイフは、日本の法律により常備できないのだ。だからって、ただ丸腰で突っ立ってるわけにはいかない。
Photo/Toshiaki Furihata Text/Fielder
Leatherman KNIFELESS MODEL
[レザーマン・ナイフレスモデル]
優れた道具を携行することは日々の安心感に繋がる!
野営時、ふとした時に持っていればよかったと思う道具は沢山ある。大抵は硬いものを切る、捻る、固着したものを挟み取るなどの動作である。すなわち、重い工具箱を持ち歩くわけにもいかず、ホームセンターという文明からも遠く離れてしまうアウトドアマンにとって、それらの動作を単身でこなすマルチツールはまさに神の手なのだ。純粋な山行であればナイフ1本で十分だが、おそらく本誌読者は登山者の枠には収まらないはず。山へ出向けば倒木も切断するだろうし、なまし鉄線も捻るだろう。
ただここで確認しておきたいのは、日本人の日常生活において、ナイフの常時携帯はどんなに小さなブレードでも許されていないことだ。あくまでキャンプや山登りへ行くなどの明確な目的がある場合にだけ、それは許されるのである。マルチツールもナイフが付いているからオマワリさんに見つかると没収、軽犯罪法に引っかかる。携行することにこそ意義があるマルチツールにとって、正直この境遇はかなり悲惨だ。いくら強力なプライヤーや高精度なドライバーを備えていても、普段は自宅の引き出しにしまっておくほかないのだろうか……いや、こんな方法がある。
マルチツールは街〜山を問わずどこでも役立つから、ナイフレスモデルを常時携帯。キャンプや山登りへ行く時にだけ、装備にナイフをプラスすれば良いのである。
※商品情報は本誌発売当時(2016年6月)のものです。
KNIFELESS REBAR
[ナイフレスリバー]
質実剛健なレザーマンの真骨頂である「フルサイズツールクラス」初のナイフレスモデル。通常モデルの直刃と波刃の代わりに、切れ味抜群の小型ハサミを装備し、日常〜アウトドアを問わずに使い倒すことができる。1万6200円(税込)
ニードルプライヤーをはじめとした高精度な工具を多く備えるフルサイズツールだけあって、それぞれのツールの使い勝手は抜群。ナイフはなくとも野生派には嬉しいノコギリも備える。
STYLE CS KNIFELESS
[スタイル CS ナイフレス]
日常使用に最適なサイズ感で人気がある「スタイルCS」のナイフレスバージョン。日常において最も使用頻度の高いハサミはそのまま、ナイフをダンボール箱の開封などに使用できるパッケージオープナーに換装している。レザーマンツールジャパンによるオリジナル製品。6372円(税込)
日常におけるナイフ用途の多くはダンボール箱の開封であるからして、ナイフレスモデルでもこのパッケージオープナーを備えていれば、著しく使い勝手が損なわれることはない。