【vol.37】METAL MATCH/LEATHER GLOVE/WINTER BOOTS/HEADWEAR

パッとコンビニへ行けないフィールドにおいては予備が重要。野営に欠かせない火起こしにはライターが最も有効だか、万が一の際の予備として、あるいは環境に左右されにくい常用として、これらを携行したい。

Photo/Toshiaki Furihata Text/Fielder

METAL MATCH

[メタルマッチ]

どうしても“サバイバルスキル”というと“原始生活至上主義”的な思想がつきまとうが、これは単純に生き延びるための術である。こと道具の使用に関しては先のイメージから語弊を招きやすく、「最新の道具を使っているじゃないか」という非難がしばしばわく。が、それでいいのだ。ライターを携行しているなら焚火にはそれを使えばいいし、ゴアテックスを持っているなら雨天時にはそれを着ればいいのである。そこまで否定してしまうのは人間がこれまで培ってきた技術の否定であり、“退化”ということになってしまう。
 
ならばサバイバル環境における道具使用の線引きはどこか。きっとこれは、その道具がなくなった場合に目的遂行の代替手段がなく、いくら時間を費やしてもゴールに辿りつけないほどの最新技術を有しているかどうか、だろう。逆を言えば、その道具がなくなった場合の代替手段や対処法を知っているなら、その道具の使用はアリ。代替となるそれら知恵や技法も含めてのサバイバルスキルと言える。
 
というわけで今回は、ハードな野生環境(風、水気、標高、燃料調達不可etc)では意外と使い物にならなかったりするライターの代替手段、メタルマッチに着目してみた。単純な道具ではあるものの、いざという時に役立つ道具だけにお気に入りの逸品を選びたい(もちろん、これをなくしたときのためにキリモミ〜ヒミゾ式などの原始技法は覚えておきたい)。

※商品情報は本誌発売当時(2017年12月)のものです

ULTIMATE SURVIVAL TECHNOLOGIES SPARKIE FIRE STARTER

[アルティメイト サバイバル テクノロジー・ スパーキーファイヤースターター]

片手での操作を実現した24gの軽量なファイヤースターターは、単純な操作で誰でも簡単に火起こしができる。操作方法はサイドのボタンを押しながら先端を押し付けるだけ。マグネシウムロッドが擦れ、火花が散る仕組みだ。1600円(税抜)

マグネシウムロッドとストライカーが内蔵。未使用時は内側に収納されるコンパクト仕様だ。

PROFORCE FIRE FLASH FIRE STARTER LARGE

[プロフォース・ファイヤーフレッシュ ファイヤースターター ラージ]

マグネシウムロッドにストライカーが付属するベーシックなタイプ。スウェーデン軍に採用されている信頼性の高いモデルだ。マグネシウムロッドが太めに設定されており、3000回まで発火可能。重量51g。2800円(税抜)

ロッドは太めの設計。ストライカーの先にはセレーション加工が施され、ロッドを削りやすい。

AURORA FIRESTARTER 440C

[オーロラ・ファイヤースターター 440C]

アルミケースを採用したスタイリッシュなモデル。マグネシウムロッドを削り落としたり擦ったりする際に必要なブレードが先端に付属し、単体で使用可能。ブレードを紛失する心配もない。重量80g。2400円(税抜)

マグネシウムロッドはねじ込み式収納。ケース先のブレードにはストライカーに適した440Cステンレスを採用。

VARGO ULTIMATE FIRE STARTER

[バーゴ・アルティメット ファイヤースターター]

ファイヤースターターが装備された火吹き棒。上部にねじ込まれたフリントに本体サイドのストライカーを擦りつける。これ1つで着火から火力の調節まで行える便利ギアだ。重量は53g。3600円(税抜)

サイドにはストライカーが付属。火吹き棒として使う際には伸ばして息を吹き込む。