実は様々なバリエーションが存在するお手軽野営道具
ブルーシートとはいえ、色が変われば燻し銀のブッシュクラフトシェルターに見えてしまうから不思議だ。見た目にも野営に導入したいアイテムである。
意外と馬鹿にならないハンドリングの良さに注目
資材を野外環境から守る耐候性に優れたカバーとして、日本の産業を根底から支えている所謂“ブルーシート(※)”は、キャンプフリークの間でも注目のアイテム。タープやグランドシート、雨よけカバーといった定番の活用法のほか、ブッシュクラフターならこれを活用したシェルターも即席で作ってしまう。考えてみれば当たり前なのだが、その形状は一般的なレクタタープと同じで細引きを結びつけるハトメも装備。標準的な2.7×3.6mの#3000番モデルで重量は1.5㎏程度と若干重めだが、その圧倒的な安さと屈強さが存分にそれを補ってくれるのだ。
とはいえ、あの青々とした見た目が……なんて読者もいるだろう。が、実はブルーシートと一言でいってもそのバリエーションは様々。大きさや厚さといった規格の違いだけでなく、見た目の印象が180度変わるカラーバリエーションや難燃性を持たせた高機能モデルなども存在するのだ。今号ではブルーシートメーカーの老舗・ユタカメイクのODシートを900円で購入し、表紙写真にも用いているが、これがブルーシート製の寝床に見えるだろうか? その気負わず使える値段とタフな防水性や耐久性、雰囲気抜群のカラーリングのおかげで、フィールドでのハンドリングは最高峰である。
※世間一般的に青ではないものもブルーシートと一緒くたにされているが、本来色は関係なくPE製防水シートというのが正しい
※商品情報は本誌発売当時(2017年10月)のものです。
改めて知りたいブルーシートの規格
ブルーシートのサイズは一間(約1.8m)を基準に半間(0.9m)刻みで設定されているため、正方形タイプも用意される。厚さは3.6×5.4mあたりの重さで表され、♯3000が定番。♯2000〜2500が軽量タイプ。それ以下になると使い捨てが前提だ。ちなみに今回用いた2.7×3.6mサイズの♯3000は重量約1.5kgと意外にも軽量。
2.7×3.6mサイズのハトメ位置
野営に使えるブルーシートの主なサイズ
1 1.8×1.8m
2 1.8×2.7m
3 1.8×3.6m
4 2.7×5.4m
5 2.7×3.6m
6 3.6×3.6m
7 2.7×2.7m
ブルーシートで構築できる代表的なシェルター
展開図の見方は「H」が細引きによる吊り上げ、あるいはポールによる突っ張りポイントで、「PD」がペグダウンポイント。点線はすべて山折りを表している。
TYPE.01
SURVIVAL BIVVY
屈強なブルーシートを活かすグランドシート兼用の多機能シェルター
ブルーシートの右半分でウェッジタイプのシェルターを作り、左半分をシェルター内に織り込むだけで完成。左半分はそのまま広げるとグランドシートに、丸めるとシュラフカバーになるから便利だ。狭い入り口の関係から「H」部は細引きで吊り上げた方がいい。
TYPE.02
MINI TEEPEE
焚火を前提とした暖かな差掛け型
ブルーシートのサイズ感を最大限に生かした構築法で、右側1/4スペースをグランドシートとしてペグダウン、左側1/4スペースをひさしとして吊り上げる。シェルター幅はそのまま2.7mとなるので、手足を伸ばして寝転がっても余裕がある。
TYPE.03
FIRE REFLECTOR
災害時にも有効なティピーテント型
「H」を頂点に、左右1/3位置のハトメ、後部1/4および3/4位置のハトメをペグダウン。前部のあまりは入り口のフラップとなり、左右後部のあまりはシェルター内に折り返してグランドシートとなる。災害時のブルーシート活用法としてもよく使われるタイプだ。
ユタカメイクが展開するシートの例
#3000 迷彩シート
中・長期使用タイプのブルーシートにクールな迷彩パターンを採用した一枚。より軽量な#2000番も用意される。オープン価格
#3000 オレンジシート
一般的なブルーシートと同様の中・長期使用タイプ。狩猟・野営時に役立つビビッドなハイビジブルカラーを採用。オープン価格
#2000 シースルーシート
シート内部が確認できる短期使用タイプの半透明版。光源の使い方次第では見た目にも美しいサイト構築ができる。オープン価格
#3000 ブラックシート
こちらも一般的なブルーシートと同様の中・長期使用タイプだが、紫外線安定剤入りで耐候性がさらにアップ。オープン価格