【vol.38】MULTI-TOOL/SUNGLASSES/WADING SHOES/JACK WOLFSKIN

アウトドアシーズン突入目前にして、改めてチェックしておきたいのが野営道具の基本装備。我々にとって必要不可欠な刃物類に関しては、今一度マルチツールの有用性にも着目し、最善の1本を手にしてほしい。

Photo/Toshiaki Furihata Text/Fielder

MULTI-TOOL

[マルチツール]

最小限の装備を極めるならナイフ1本というスタイルもありだが、野外活動で起こり得る様々な状況を考えると、多彩な道具をコンパクトに持ち歩けるマルチツールはやはり有用性が高い。こと登山道を歩くだけでなく、野生食材採集道具などのテクニカルギアを携行して、あらゆるフィールドへ出向くような野生派アウトドアマンにとってはなおさらである。
 
例えばドライバーやレンチなどの工具類。一見我々の野外活動には不必要と思えるツールだが、服部文祥は度重なるポンピングでガタが出てしまったエースハンター(空気銃)を増し締めすることで空気充填効率が上がり、結果としてヌートリア獲得率が上がった。また、氷点下の夜に赤ガス対応ガソリンストーブのフィルターやジェットが詰まり、その日獲ったシカを鍋にできないという状況に陥った際も、機関部をオーバーホール洗浄(息でカスを飛ばしただけ)することで難を逃れた。我々のような人種にとって、野外における工具の有無は楽しさ、稀に生死をも左右するのである。
 
そんなわけでここでは、我々が愛してやまない永久定番マルチツールの最新バリエーションモデルを紹介したい。各モデルともにツールを増やしたり、ツール性能を引き上げたり、意匠を凝らしたり、スタンダードモデルとは一味違った使い勝手を提案。何れにしてもその信頼性は揺るぎないものなので、マルチツールを新調したい読者は迷わず有力候補としてチェックしてほしい。

※商品情報は本誌発売当時(2018年2月)のものです

LEATHERMAN WAVE+

[レザーマン・ウェーブ プラス]

1998年に誕生したプライヤー型マルチツールの金字塔がグレードアップ。ロック機能を備えた全17機能を収納する同モデルだが、今回は新たに154CMの高硬度ステンレスをワイヤーカッターに奢り、タフ性能をさらに高めている。1万8000円(税抜)

プライヤーの根元に装備される刃交換式のワイヤーカッターには154CM高硬度ステンレスを採用。災害時にも有効なツールと言える。

VICTORINOX SPARTAN PS

[ビクトリノックス・スパルタンPS]

大小ブレードやリーマーなど、厳選された13機能を収納する超定番マルチツールの新バージョン。ツール部に特殊コーティングを施し、ボディカラーも白・黒のモノクローム展開とすることで、これまでにないクールさをまとっている。7200円(税抜)

クローム・オキサイドを塗り重ねた特殊なコーティングで、光の入射角によりダークグレー〜アンスラサイトの色彩を魅せる。

SWISS+TECH MICRO-MAX XTREME

[スイステック・マイクロマックス エクストリーム]

その名の通り、プライヤー型にしてすっぽり手のひらに収まるコンパクトツールの急先鋒。このサイズにして全22機能、スケールやハンドドリル、ヤスリなどを備えており、野外での即席工作(ルアーのリペアetc)にも役立つことだろう。3200円(税抜)

手のひらサイズにしてインチ、ミリ規格のスケールをそれぞれ2本備えている。インチ規格スケールは輸入物の採寸に意外と役立つ。