焚火に興じるための衣服は素材を確認してから着るべし
昨今のキャンプブームで焚火用をうたったウェアは急増したものの、よく見てみれば「?」マークがつくアイテムもある。ここで取り上げたモンベルのカントリージャケットのように、往年のスタイル+先進の難燃素材「フレアテクト(難燃性ビニロン×コットンの混紡生地)」を用いているならば大人の選択として最強だが、中には“ちょっと丈夫め”なコットン100%生地を用いた“なんちゃって仕様”もあるみたいだ。コットンが燃えにくいという印象はジャングルクロスなどの軍物発ヘビーデューティ高密度生地に由来するのであって、素材そのものはよく燃える。産業用衣服メーカーの作業着に使われているレベルでがっちり編み込まれた生地でなければ安全は確保できないのである。
ちなみに、往年のスタイルを追求したいのであれば、コンバットセーター(本物に限る)という選択肢もある。LOI値から見ても天然ウールの難燃性は高く、保温性、消臭効果にも優れているのだから焚火には最適だろう。
※商品情報は本誌発売当時(2023年12月)のものです
大人の難燃野営スタイルはカントリージャケット×コンバットセーターで決まり
意外にも天然ウールは燃えにくい!?
ケンプトンと数十年来の付き合いを持つ中田商店がお得意様価格で直接仕入れているウーリープーリー(洒落たセレクトショップではウン万円で販売)。炎渦巻く戦場を想定した本物のコンバットセーターだけに、英国ウェールズ産山羊ウール100%生地は屈強で、焚火の熱にもへこたれない。
<mont-bell> FUEGO COUNTRY JACKET
[モンベル・フエゴ カントリー ジャケット]
難燃性素材フレアテクト®を用いた1着。ゆとりあるシルエットで薄手のダウンやセーターの上から羽織ることができ、寒い季節まで活躍する。背面に大型のジッパー付きポケットを備え、見た目以上の収納力を誇る。1万8700円(税込)
問モンベル・カスタマー・サービス ☎06-6536-5740
部分を立ち上げてストラップで留めれば、首元からの風の吹き込みや火の粉を防ぐことができる。
前面には風の侵入から守るフラップが装備されている。
<KEMPTON>WOOLLY PULLY SWEATER
[ケンプトン・ウーリープーリーセーター]
英国ケンプトン社のウーリープーリーはコマンドセーターを象徴する存在。リブ編みで絞り込まれたシルエットはダブつかず、要所はパッチで補強されている。保温性、透湿性、耐久性は今なお一級品だ。1万800円(税込)
問中田商店 ☎03-3839-6866
肩と肘には補強パッチ、肩にはエポレットを備え、耐久性を高めている。
横方向に伸縮して身体にフィットするリブ編みを採用。高い保温力や機動性を実現する。