森奥深くまで持ち運びできる大型テントという選択肢
今号の特集は「野泊」。料理やアクティビティなど、諸々手間のかかる算段を抜きにすれば、より野外で寝ることが身近になるのではないかと考えたからである。「野宿」としなかったのは一般的な意味合いとして、これを読んだ読者がところ構わず寝だしたら困るためだ。これまでギリギリのネタを投下してきただけに、「フィールダーがまたグレーなことを推している」なんて事態にならないよう気を付けてみた。まあ、行為の中身、楽しさの本質はどちらも同じなのだが、各々節度を持って人間本来の営みを楽しんでほしい。
さて、そんなギスギスした世相から離れて山奥の“キャンプ場”で寝ようとすれば、自ずと寝床も軽量コンパクト化を余儀なくされる。乗用車で直行できるような場所はまだまだギスギスしているので、最後は持てるだけの荷物を持ち、自分の足で浮世離れしなければならない。結果として、寝床装備も最小限にとどまるわけだ。
でも、それでは野外で寝ることがまた身近ではなくなってしまうんじゃないかと。はじめのうちは大きなテントで安心して寝たいのもわかる。というわけでハンモック用テントの提案である。これならもともとハンモックのロープと平行して梁を作る構造ゆえフレームがなく軽量。その割に高さが出るので十分に広い居住スペースを備えている。ソロならファミリーテント並みに贅沢な空間で夜を明かせるのだ。
※商品情報は本誌発売当時(2023年9月)のものです
OneTigris TEGIMEN
[ワンティグリス・テギメン]
軽量性と強度のバランスに優れる70Dリップストップナイロン採用の大型シェルター。煙突穴やスカートを備えた冬季対応仕様で、ハンモックと併用できる構造を装備。梁となるロープに屋根部のタブを通して張ったら、周囲をペグダウンするだけで設営できる簡単設計だ。2万4750円(税込・参考価格)
問OneTigris Gear https://www.onetigris.com/jp
寝室、リビングを兼ねる2×3mの広々空間。2人でも余裕のある広さだ。高さは最大190cmもあり、圧迫感が全くない。収納サイズは53×15×15cm、重量3.1kg。
両サイド入口のジッパーはハンモックのロープを通したままフルクローズできる。
右下/薪ストーブの煙突用の穴が2か所備わっており、冬季野営も快適に過ごせるオールシーズン仕様。