【Vol.66】現代の廃れた心と胃袋を満たす野遊びの基本を再考ー大人の火戯びー

太古の昔より 焚火は人間の最高の娯楽である

これまで本誌が扱ってきた焚火と言えば、時にワンバーナーのように、実用的な野営道具のひとつとして成り立たせるスキルが主体だった。おかげさまでそれらスキルは「焚火読本」という1冊の技術書となり、アウトドア系出版物の中でも定番のロングセラーとなっている……がしかし、振り返ってみると童心に戻れるような“楽しい焚火”を取材した記憶は、ほとんどない。物理法則を踏まえた給気機構やら焚火により米のアルファ化やら、思えばせかせかと頭を働かせて火を熾す日々が続いていた。これは手練のアウトドアマンも経験があるのではないか? 火を道具として使えるがゆえのジレンマだ。というわけで今回は初心にかえり、ただただ楽しい火遊びに注目する。目と耳と胃袋で、火の面白さを再確認したい。

孤独を楽しむキャンプファイヤー
道具再考

大人になっても、大人だからこそ大きな炎に心を躍らせたい!

ここからは早速純粋な焚火の楽しさに着目。自然の中で楽しむ火遊びと聞いて、パッと連想するのはキャンプファイヤーではないだろうか?
分別のつく大人になった今こそ、かつて東ケト会で椎名誠氏らが興じたような、どデカい炎を立ち上げてみるのも面白い。優れた道具を用いれば、ソロでも安全にキャンプファイヤーが楽しめる。

愛用の焚火台にドッキングできる「薪組み道具」

いまや焚火台は誰もが所有する野営道具ゆえ、まずはそれにドッキングして大きなキャンプファイヤーを構築できる補助道具を提案しておこう。不用意に薪が倒れるリスクも減るので、安全性も増すことも付け加えておく。

安定した薪組みで長時間炎を維持できる

屈強かつ独創的な五徳融合スタイル

[LODGE]FIRE AND COOK STAND A5-8

[ロッジ・ファイヤーアンドクックスタンドA5-8]

■ 使用時 22.86×22.86×31.75cm
■ 重量 2400g

120年以上の歴史がある米ロッジ社のクックスタンド。小枝を縦に差し込み着火することで、効率的な上昇気流を発生させ、大きな焚火が作れる。上部の4本のアームには同社のほとんどの鍋がフィット。7040円(税込)問エイアンドエフ03-3209-7575

POINT.01

地面に直置きすれば単体の焚火台として使用できるが、様々な焚火台と組み合わせれば多くのキャンプ場でキャンプファイヤーが楽しめる。

POINT.02

同社製のダッチオーブンはもちろん、様々なクッカーを置いて調理も可能だ。分解すればソロでも携行できるサイズになる(レンチが必要)。

LAYOUT

中央の格子に焚き付け、周辺に薪を立てかけるだけでティーピー状の焚火型が完成する。圧倒的安定感で薪が炭化してきても崩れない。

ティーピー型が放つ美しい炎を育成できる

フィールドで活躍する万能性を詰めこんだ逸品

[belmont]DH TRIPOD BUNDLE

[ベルモント・DHトライポッドバンドル]

■ 使用時 19×6.7cm
■ 重量 270g

ブッシュクラフターとの共同開発から生まれたアイテム。単体では五徳やバーナーリング、焚火グリルに。脚となる枝と組み合わせればトライポッドとして使える。ソロキャンパーやハイカーにもお勧め。ステンレス製。5280円(税込)問ベルモント0256-36-1081

POINT

五徳としてだけでなくトライポッドが簡単に設営できる補助具として様々な使い方ができる。クッカーを吊り下げるチェーンも付属。

LAYOUT

五徳として使える高い耐熱性を考えれば、ティーピー型焚火の骨格としても利用できる。焚火台の火床に収まるサイズ感も◎だ。