【vol.64】SOLO FIRESTAND/OUTDOOR COOKING GEAR/SUMMER USEFUL GEAR

厳しい時代だからこそソロ焚火台が求められるわけ

今号の巻頭企画「野遊びの勧め」にて一番手を任せた「焚火」。日頃から焚火を取り扱う本誌だが、野遊びというテーマにしてなぜまた焚火に注力するのか。それは“公園タキビスト”が確実に増えているからである。デカいグラサンなどを掛けて業界人ぶることのない質素な編集部は、キャンプ場やBBQ場で撮影をしていても皆に気づかれることがない。それをいいことにふらっと散歩しているように見せかけて、来場者の趣味嗜好をリサーチしているのだ。そこで最近気づいたのが、ナイスミドルが平日に1人で焚火に興じていること。しかも都市近郊の公園内BBQ場に多く生息しているのである。非常によくわかる。仕事、家庭、老後、考えなければいけないことはワンサとある。それは人の少ない平日に休みを取って、炎の揺らぎを見つめたくもなるだろう。

さて、同世代への同情はそこまでにして、実に“公園タキビスト”が用いている道具は洗練されている印象がある。アウトドアブランドに限らず、様々な業界の定番モノを巧く使いこなして、コンパクトながら充実した焚火遊びに興じているようだ。中でも主役となる焚火台においては、編集部すら判別のつかないマニアなアイテムを使っている兄貴もいる。今後、時代が厳しくなるほどにソロ焚火台シーンが熱くなりそうだ。

※商品情報は本誌発売当時(2022年6月)のものです

1. AUTEC CAMP COOK PIT

[オーテックキャンプ・コックピット]

オーディオテクニカが立ち上げた新アウトドアブランドの第1弾アイテム。耐食、熱変形に強いステンレス鋼を採用して、機能性、収納性、耐久性を追求した焚火台だ。火床の傾斜により、薪の燃焼は先端から手前に進む。焼網プレートは食材を直接調理でき、2本の五徳を渡せば鍋等を載せられる。1万3200円(税込)
問AUTEC CAMP https://www.auteccamp.jp/

使用時は283×227×169mm。架台、焼網、火床、五徳×2に分解できる。収納サイズは303×190×40mmで、ほぼA4サイズ。重量は850g。

組み立て式コンパクトモデルでありながら、焼き網を動かさずに薪の操作が可能。三角形の側壁プレートは風を防ぎ、燃焼効率を高める。

2. KAMAKURA TENMAKU SOLOIST HOMURA

[鎌倉天幕・ソリスト炎]

はめ込みやネジ止めは不要。開くだけのワンアクションでセットアップが完了する設営の簡単さが魅力のソロ向けモデル。錆びにくく劣化しにくいステンレス(SUS430)を使用し、軽さと耐久性を両立させる。1万4850円(税込)
問ニューテックジャパン☎045-312-7895

収納時は145×340×36mm。本体のほか2個のスピット型五徳と併せて付属のキャリーケースに収められる。使用サイズは275×340×230mm。重量は約1kg。

ポップアップ式の立ち上がるアクションに連動して、4カ所の風防も展開する仕組み。スピット型五徳はスリット位置の差し替えで2段階の高さ調節可。

3. mont-bell FOLDING FIRE PIT S

[モンベル・フォールディングファイヤーピットS]

高い燃焼効率を実現する独自の2重・深型構造の焚火台が軽量コンパクト化されて新登場。本体とロストルは丈夫でメンテナンス性の高いステンレス製。付属の焼網を使えばBBQが楽しめる。別売のクッカースタンドでダッチオーブンも使用できる。1万7600円(税込) 
問モンベル・カスタマー・サービス☎ 06-6536-5740

折りたたむと245×345×50mmとなり、ロストル、焼網と併せてスタッフバッグに収めることができる。使用時サイズは245×345×170mm。重量は3.03kg(スタッフバッグ込み)。

燃焼で温まった空気が上昇すると、下部空気孔から新鮮な空気を取り入れるドラフト効果が発生。深型・二重構造は二次燃焼を促進し、煙が少ない。