【Vol.60】自然界を自分だけの リビングに変える至高の過ごし方ー森の椅子時間ー

椅子と 少しの道具だけで森は書斎にも 工作室にもなる

どこか世間のやり方に馴染めないアウトドアマン(およびウーマン)へ向けて、様々な特集を組んでは血気盛んに「権力に支配された貨幣至上主義的生き方から脱し、ホモ・サピエンスとして自然に生きる知恵と技術を取り戻せ」なんてのたまいながら10年の時が過ぎた。でも、本当の黒幕は日本から遠く離れた太平洋の向こう側にいるわけで、いまだニッポンが陥る精神的奴隷社会を打破することはできない。だから本誌発刊10周年を節目に、ちょっとここらで小休止(疲れた!)。現代社会の雑音から離れて、純粋な自分だけの時間を今一度アウトドアに求めてみたい。やることは椅子1つだけを持ち込んで、自分の好きなことに没頭するだけだ。

やることはただ自然に椅子を持ち出すだけ
チェアリングのすすめ

ただ椅子に座ってひとり好きなことに没頭する時間を持つ

今回はいわゆる“ガチ勢”がハマるサバイバル野営から打って変わって、アウトドアレジャーの中で最も敷居が低いと言われる「チェアリング」を提案したい。これって要は自分の好きな場所に椅子を置いて過ごすだけなのだが、せっかくならいつもの忙しない野営ではできない、じっくり時間をかけた野遊びに興じてみてはいかがだろう。

時間はたっぷりあるのだから、例えば最近注目のアウトドアアクティビティ「バードウォッチング」に挑戦してみても良いだろう。

EQUIPMENT

椅子を除けば20Lのバッグで十分

デイキャンプ装備は普段使いのデイパックに収まるので電車移動もできる。好きな時に出かけられるフットワークの軽さがチェアリングの魅力だ。

ひとりで携行できる最低限の道具で完結

チェアリングとはつまりデイキャンプなので、持ち運ぶ装備も最低限でOK。今回は焚火台やタープなどのキャンプギアに加えて、現地調達素材で工作するための刃物や河川から自由に取水できる浄水器などを携行した。