英国の老舗「ケンプトン社」の高品質コマンドセーターで実現するクラシックアウトドアスタイルに注目
化繊全盛の現代でも、アウトドアウェアブランドの多くがアンダーウェアに取り入れている天然ウールは未だ最高峰の発熱性能を誇る。今回は世界最高峰のハンティング〜コマンドセーターで有名な「ケンプトン社」から、クラシックなアウトドアスタイルにも似合う定番〜新定番の逸品をお届けしたい。
(問)中田商店 03-3839-6866 www.nakatashoten.com
保温性・発熱性ともに現役最高峰の逸品
数あるヘビーアウターに負けず劣らず、冬の定番軍モノと言えばコマンドセーター。その起源を辿ると、1920年代から高品質なニット製ハンティングウェアを手がけている英国・ケンプトン社がセーターに銃器用のガンパッチをあしらい、今でも軍用向けに展開し続けている「ウーリープーリー」に行き当たる。無論、軍用向けとあって、これらに用いられるウールは肌触り優先の主流種“メリノ”ではなく、丈夫で天然脂分を豊富に含んだ“ウェールズ・マウンテンシープ”である点がポイントだ。繊維1本1本にハリがあるため見た目に違わずタフで、しっかりとしたカサが得られるためデッドエアもより多く溜め込むのである。また、超高品質な天然ウール100%で編まれるだけあり、昨今のアンダーウェアシーンで話題となっている“吸湿発熱(※)”性能が抜群なのも言うまでもない。
さて、日本で「ウーリープーリー」ブランドを20年以上も取り扱ってきた中田商店では、ケンプトン社のルーツとなったハンティングセーターや街着にも最適なマリンセーターなど、同社がアウトドア向けに展開している「ニッフィ」ブランドの取り扱いも展開している。世界中の軍隊にその実力が認められた本場のセーターを、今こそ自身の野営装備に導入するべし。
最新の映画 「007」でボンドが スマートに着こなす 英軍WWⅡタイプ
WOOLLY PULLY WWⅡ REPLICA
コマンドセーターを長年手がけてきたケンプトン社だけあって、世にも珍しいWWⅡ初頭の英軍マウンテンセーターもラインナップ(当時は本物を英軍へ納入していただろう)。首元のドローコードが何よりの特徴で、ただいま公開中の映画「007/NO TIME TO DIE」では英国海軍のジェームズ・ボンドが着用している姿を見ることができる。1万2800円(税込)
※水が蒸発する際に熱を奪う原理とは逆の、水蒸気が凝縮(液体化)する際に熱を放出する原理を利用した自己発熱法。無論、ウェアシーンにおいて“水蒸気”とは“汗”であり、それをウェアの繊維が吸収することで熱を得るのである。ほとんどの化繊はそれ自体に吸湿性がないため各社とも繊維を中空化したり、多層化したりして吸水性を高めているが、天然ウールはそもそも優れた吸湿性を持っている。