【vol.37】にわとりのいる暮らし No.18

Vol37 Niwatori Main

プープは、遊ぼうと思って近づいてきたナツに驚いて飛んだものの、自重と年齢と日頃の怠惰の影響で、かつてのようには飛べず、地面に激突した。しかも、驚いてたまごの元をお漏らしまでしたらしい。

夜、ヘッドランプで見に行くと、死んではいないが、今にも死にます、という感じだった。

死ぬと肉が臭くなるので、死ぬ前に処理したかったのだが、時間もなく、老鶏の肉はおいしくないのでやる気も起きず、なんとなくそのままにしておいた。

翌朝もまだ生きていて、水だけは飲めるようにしておいたら、少しずつ元気になっていった。

野生だったら、うまく動けない状態のときに、何らかの肉食小動物に狩られてしまい、治癒という選択肢はない。だから安易に感心はできないが、それでもなかなかの生命力である。

キングは朝は元気に鳴いているが、昼にはそれほど鳴かなくなった。私を見るとすぐに逃げていき、突っかかってくることはまったくない。小雪には突っかかるらしいので、人間をちゃんと見分けていることになる。ニワトリの認識能力に関して、考えをすこし改めたほうがいいようだ。

年明けに開催される地区対抗駅伝に向けて、今年は夏の終わりからゆっくり準備してきた。トレーニングをしながら、早寝早起きを励行、夜の飲み会は全部断り、残業も夜更かしも極力避けた。そのかいあってか、膝の痛みは出ず、この間のタイムトライアルでここ数年では最速のタイムが出た。

年齢とともに筋肉の弾力は低下していると思うが、ニワトリでも人間でも、年寄りには年寄りのやり方がある。

Vol37 Niwatori01
Vol37 Niwatori02

服部家の鶏
「キング」 ♂ まだ朝は元気に鳴いています。
「チビ」 ♀ 眼光鋭いおばあさん。

「プープ」 ♀ ビッコになったけど生きてます。
「よりめん」 ♀ 我が道いってます。

服部家の人々
「ブンショウ」 ♂ 本州も猟期解禁。でも締め切りの山を越えられず。
「コユキ」 ♀ 『アーバンサバイバル入門』でもイラスト担当してます。

「ショウタロウ」♂ 模試にあけくれる受験生。
「ゲンジロウ」♂ 『新海誠展』なかなかです。
「シュウ」♀必死になれない中学生。

「ナツ」♀ 本州の狩りに連れて行ってもらえる日を待っています。
「ヤマト」♀ スズメを玩具にしています。