【vol.30】近所で調達した素材で作る野生中華飯店

Ph34 1

食べられる物は意外と近くにあるものだ。見逃しているか? 知らないか? なのだ。面倒くさがらずに挑戦してみよう。思いもよらぬ美味しい素材、料理に出会えるかもしれない。今回はどんな素材でも合う中華料理に挑戦だ。

レポート・奥山英治

「触らないと何もわからない」をモットーに、生き物や自然遊びを中心にTVや本・イベン トなどで自然の素晴らしさを教えている。

身近な自然素材を利用して中華料理に挑戦してみた!

「その辺のものでちゃっちゃっと中華料理を作ってください!」って、編集部に頼まれた。「はい ! やってみます」と言ったものの……中華料理が頭に浮かばない。何を作ればいいんだ? ふむ、何が採れるかだな。食べられるものはどこにでもあるが、それが美味いか不味いかは人それぞれだ。だって毒がない限りはなんでも食べられるわけだからね! しかし、旬ってのも絡んでくるし。ま〜山でもうろつきながら考えるか。

目にとまったものはヤマノイモ。本来ならヤマノイモを掘り、なにかに利用したかったが、まだ時期が早かった! 掘っても青い味だ。仕方なくムカゴにした。今度は海だ! 上海蟹が頭の中に浮かんで、親戚のモクズガニを捕まえに出かけたが、シーズンなのに小さいのが数匹でどうにもカッコがつかない。こうなりゃノコギリガザミに急遽変更。川に出かけここならなんでも食えると、大きなニゴイを釣り、これをコイの甘酢あんかけ風に仕上げようと考えたが、釣れるものは小さく結局フナで代用だ。

自然界はそう簡単に事を運ばせてくれないものだ。苦戦したが、結果はまずまず。コツは丁寧に作ること。水物はちゃんと泥吐きを濁りがなくなるまで水をなんども換える。こうすると淡水魚の泥臭さが抜ける。ザリガニも尻尾にあるワタを丁寧に取り除くとかなり違う。親に今回のエビチリを出したら何にも言わず完食した。意外だったのはシュウマイだ。イメージ とは全く違ったが、つなぎに入れたニゴイやヤマノイモ全てがマッチした。エビは香りも良かった。身近にあるもので作った中華料理、よかったら試してみて!