日頃の野遊びにも導入できて有事の際にも役立つ一石二鳥な選択肢
アウトドアマンが得られる副次的な恩恵は、有事の際に自身や家族、仲間を守るための技術獲得である。実際自然災害の危険が迫ると、SNS上には「ウチにはキャンプ道具が揃っているから停電しても大丈夫」とか「○○が日頃からキャンプをしているから頼りになる」など、我々の存在意義が高まる呟きも散見できる。野営道具はそのまま緊急避難道具になるわけで、野遊びの一環としてそれらを所有し、熟知して、使いこなせることは、平穏な現代生活が崩れ去った世界でも確かな生存術として活用できるのである。
がしかし、例えば22年1月に政府が発表した“今後40年以内に90%の確率で発生する”南海トラフ巨大地震において、整備されたキャンプ場を想定した野営装備はどこまで役立つだろうか? そもそもそれら道具を100%活かせる安全な場所までの道程を乗り切れるのだろうか……というわけで、いつもの装備にプラスしておいてほしいのがフィールドでも使い勝手抜群の保護靴なのだ。せっかくの休日でも、命のかかった局面でも、重量級の木材が足に落ちたり、釘などの鋭利な突起物を踏み抜いたりしては己に備わる野営技術も台無し。昨今の保護靴は切削道具を多用するブッシュクラフトにも最適なブーツタイプや野営時のレストシューズにも使えるコンパクトタイプまで、様々な種類が揃っている。ぜひ自身に合った1足を見つけ出してほしい。
※商品情報は本誌発売当時(2022年12月)のものです
[KEEN] PITTSBURGH ENERGY 6 WP
[キーン・ピッツバーグエナジー シックス ウォータープルーフ]
ASTM工業規格をクリアし、タフな現場でこそ真価を発揮するキーン発のワークブーツ。素材のウォータープルーフアッパーはしなやかで足馴染みがよく、透湿性と防水性に優れ、手入れも簡単に行える。2万5300円(税込) 問キーン・ジャパン☎︎03-6804-2715
つま先には左右非対称のカーボンファイバー製セーフティトゥを内蔵。外観上は目立たずスチールよりも15%の軽量化を実現する。
防水透湿素材KEEN.DRYを採用。シューレースの緩みを防ぐロッキングメタルレースフックやフィットを高めるヒールロックも搭載。
[MARUGO] SOLE BARRIER MOC #03
[丸五・ソールバリアモック#03]
特殊繊維を採用した耐踏み抜き防止インソール内蔵の避難用シューズ。シューレースのない履きやすいスリッポンタイプのため、一刻を争う緊急時にも有効。普段使いでもストレスなく脱ぎ履きしやすい。4950円(税込) 問丸五☎︎086-428-0230
軽量で屈曲性のよい特殊繊維積層インソールを使用しているので、小さく折りたたんで収納できる。非常用持ち出し装備に最適。
災害避難時にガラスや釘から足裏を保護する耐踏み抜きインソールを内蔵している。2013年グッドデザイン賞を受賞。
[MIDORI ANZEN] RT731F SHOBO P-4 SEIDEN
[ミドリ安全・RT731F消防P-4静電]
安全性とクッション性に優れた消防仕様。靴底に瓦礫や釘等による踏み抜き事故を防止するステンレス板を内蔵。1100℃の炎を10秒間放射しても変形しない耐熱性を持ち、体内に溜まった静電気も逃がす靴底を採用している。3万1900円(税込) 問ミドリ安全☎︎0120-310-355
つま先に内蔵されるワイド樹脂先芯は鋼製と同等の安全性を確保。幅広で履きやすく踏ん張りが効くよう指が動く程度の余裕がある。
暗がりでの視認性を高める大型反射材をかかと部に装備。サイドは脱ぎ履きしやすいジッパー式でフラップカバーが付く。