トレンドキルなミニマムギアで本来的なキャンプを楽しむ
今号の特集テーマである「孤高のキャンプ」。言ってしまえば今流行りのソロキャンプなのだが、これはコロナ禍→簡単にお金で手に入る擬似体験の場(遊園地etc)は密→それなら野外で遊べばOK……という安易な流れに便乗したと愛すべきフィールダー読者(玄人勢)に思われるのはどうかと反芻した末に生まれた苦肉の言葉なのだ。きっとこの流れでは、よくあるキャンプギア本の中身のような安全快適便利に過ごす、擬似体験の延長上にあるレジャーの一環でキャンプが終わってしまうのではないか。現代を生きている人間が、あえて文明から離れて森で過ごすのなら、やはりホモ・サピエンス本来の姿に立ち返ってみた方が刺激的で面白いはずだろう。キャンプは室内でやっていることを単に野外へ持ち出す遊びではなく、我々の思い通りにはいかない自然と対峙する、言わば“生存戦略ゲーム”なのだ。
というわけで、現代に至るまで高度な文明を築いてきたホモ・サピエンスの科学技術は肯定しつつ、太古より厳しい自然の中で命を紡いできたホモ・サピエンス本来の想像力をキャンプの場で研ぎ澄ますのなら、ここでピックアップしたミニマムギアをもって森と戯れてみてはどうだろう。見映え優先の豪華アイテムではないが、その場の環境に合わせ、試行錯誤して自然を楽しむ本来的なキャンプ体験が手に入るはずだ。
(問)飯塚カンパニー☎03-3862-3881
※商品情報は本誌発売当時(2021年6月)のものです
❶ Esbit POCKET STOVE MEDIUM WS
[エスビット・ポケットストーブ ミディアムWS]
80年以上にわたり愛用されてきたエスビットのポケットストーブの最新バージョン。コンパクトに折りたためる構造を踏襲しつつ、従来のポケットストーブとラージサイズの中間的サイズに設定。2200円(税込)※750ml チタニウムポット7700円(税込)
折りたたみ式の本体は収納時に115×86×23mmに収まる。ウインドシールドと高出力な27gの固形燃料を2個付属。内部に収納可。
鍋の大きさに合わせクッキングポジションを2段階に設定できる。付属のウインドシールドはどちらのポジションでも使用可。
❷ Esbit STAINLESS STOVE
[エスビット・ステンレスストーブ]
超軽量、最高品質のステンレススチールを使用し、コンパクトに分解収納できるストーブ。エスビット固形燃料のほか、アルコールバーナーも使用可。収納時の厚さは10mmで重量93gと携帯性にも優れる。4180円(税込)※アルミフライパン2860円、グリッパー1540円(ともに税込)
収納サイズは120×110×10mmとコンパクト。付属のナイロンポーチはエスビット固形燃料も一緒に収納できる余裕あり。
3枚のパネルとトレイを組み合わせて使用。トレイ部のちょっとした窪みは、エスビット固形燃料がうまく収まる形状。
❸ Esbit EMERGENCY STOVE
[エスビット・エマージェンシーストーブ]
メインで使用中のストーブが故障した場合や、船やクルマ等に備える緊急用具としても重宝するエマージェンシーモデル。本体は亜鉛メッキスチール製で、平らでかさばらず軽量なので携行にも便利。1210円(税込)
プレート状の本体のほか、固形燃料ミリタリー14gを3個付属。1タブレットは約12分燃焼し、500mlの水を約7分30秒で沸かす。
本体プレートの4辺を上向きに折り曲げ、中央に固形燃料を配置し着火するだけ。折り曲げ・曲げ戻しの使用限界は約15回。