数あるレジャーの中でも昨今注目されているのがキャンプ。現実的な話、一度道具を揃えてしまえば遊びにお金がかからないこと、比較的安全に自然と触れ合えること、防災スキルにも繋がること、人口密集地から離れられることなどなど、不況や天災が続き、新たな自然の脅威が迫っている今、選択肢としては最善と言えるだろう。しかし、一般的にキャンプでやることと言えばBBQや川遊びくらいで数をこなすうちにマンネリ化してしまうのは目に見えている。そこで提案したいのが”キャンプ“ではなくあえての”野営“。文字面の通り、野営は自然の中で営みを完成させることが目的であり、自然との触れ合いも生きる力の向上も、より深いものになるのだ。一見ハイレベルな玄人向けの遊びに見えてしまうのが難点だが、実は都市生活で得た常識を取っ払ってしまえば誰でもできる遊びである。
手持ちのキャンプギアを駆使して新たな野営スタイルを構築
定番野営道具活用マニュアル
いつもの野営道具もアイデア次第でより快適になる
ここでは最も身近なや野外用品と言えるブルーシートからファミリーキャンパー御用達のワンポールテントまで、すでに持っている野営道具を駆使して“より手軽”かつ“より便利”な野営サイトを構築しようというのがテーマ。たった少しのアイデアだけで、いつも通りのキャンプがもっと快適になるのだ。
EASY HAMMOCK
TODAY’S ITEM
ブルーシート(3.6×2.7m)
ブルーシート(2.7×1.8m)
持っておいても損はない身近な逸品
ここではホームセンターなどで手に入るブルーシート(今回は見た目重視で半透明モデルとした)を使用。ハンモック本体には最も一般的なサイズとなる3.6×2.7m、タープには小さめの2.7×1.8mのシートを使っている。ポイントはシートの厚さが2000番の少し薄めなモデルを使うこと。
格安のブルーシートで優雅なリラックスタイムが手に入る
次項ではハンモック本体の作り方のみを紹介しているが、タープ部は2本の立木間にロープを張り、フリクションノットでシートを固定、四隅は石を重りに張っただけの一般的手法だ。
暖かい時期を想定したハンモックだけあり、シュラフは夏季用をチョイス。ジッパーフルオープンでブランケットになるタイプが暖かさの調節もできて理想だ。
雨天に備え、ハンモック固定ロープには細引きをくくり付けておく。こうすればロープを伝ってハンモックに水が侵入する前に、細引きを伝って地面へ落ちる。
HOW TO BUILD
STEP.01
まずは3.6×2.7mのブルーシートを地面に広げ、短辺を絞るようにまとめる(STEP.04にて対向する短辺も同様の作業を行う)。
STEP.02
まとめたブルーシートを折り曲げ、その間にロープ(ここでは静止荷重250kgのパラコードを輪にして2本使いとし、強度を倍にしている)を通し、そのままシートの折りを縛りまとめるように2回転。最後に最初に通したロープの下に末端を滑り込ませて固定する。いわゆるダブルシートベントだ。
STEP.03
ブルーシートとロープをダブルシートベントで連結したら、こちら側は立木にボウラインノットなどで固定しておく。
STEP.04
続いてもう片方のシート短辺もダブルシートベントで連結するわけだが、こちら側のロープはハンモックの張りおよび高さ調整ができるよう立木に固定せずに立木の又に掛ける。
STEP.05
立木の又にかけたロープを引き、ハンモックがピンと張ったところで地面へペグダウンする。ここでは人間の体重も支えられる3連ペグダウンを用いた。
様々なシーンで使える 3連ペグダウン
重量級のテントを引き上げる際やペグを地面に深くさせない場面などに使える3連ペグダウン。基本は細引きを支える1本目のペグをスリングを介して2本目のペグがバックアップする構造だが、3本目のペグでスリングを巻き上げて短くし、緩みを取るのがポイントだ。
STEP.06
シートの両端を固定したら一回乗ってみる。するとシートベント部がさらに締め上げられてロープが伸び、ハッモックが底つきするはずだ。これがなくなるまで“ロープを張り直しては乗る”の作業を繰り返す。
ペグを打ち直すことなくロープを張る方法
しっかり決まった3連ペグダウンを抜くのはもったいないので、例えば余ったペグを2本使えば写真のように余分なロープを巻き取って固定し、簡単にハンモックを張り直すことができる。
STEP.07
最終的にシートベント部がここまで締まればロープの緩みはなくなる。とはいえシートベントはきつく締まっても撤収の際に解きやすいのでご安心を。